変額年金保険とは、まとまった資金を、数種類ある投資信託のなかから自由に選択や変更をしながら運用し、将来年金として受け取るタイプの商品です。将来の受取額は変動しますので、保険商品というよりは投資信託商品に近く、それに死亡保障が付いていると考えた方が良いと思います。
変額終身保険とは、一般の終身保険と比べて、解約返戻金が変動するのが特徴です。一般の終身保険は加入時の予定利率が継続され解約返戻金も固定的で予測がつきますが、変額終身保険の場合は将来の受取額の予測がつきません。保険料の大半が国債・株などに投資されて、解約返戻金を利殖するため、その時々に応じて受取額が変動する、投資性商品です。
まとまったお金を、投資性も含めて運用する場合にも利用できます。
販売は保険会社・証券会社・信託商品取り扱い資格のある保険代理店・銀行窓口でも扱っています。
変額年金保険は、投資や運用を目的とした商品で他の保険商品とは性質や目的が異なることから、主な特徴や内容をここに記載しておきます。
■選ぶ際のポイント
変額年金保険を複数商品で比べて選ぶ際には、「運用先」、「諸費用」、「元本保証」の有無を押さえるのがポイントです。
■運用先
運用先は、国内外の株式や債券などで運用される投資信託などになります。運用先の割合は自分で自由に選べる商品と、最初から割合が決まっているパターンから選ぶ商品があります。運用先によっては、個人年金保険(定額型)よりも将来の物価上昇に対応しやすくなります。また、各社や商品による過去の運用実績は公開されていますので、あらかじめ確認することもできます。
■諸費用
諸費用として、「加入時」、「運用期間中」、「解約時」と、3段階でコストがかかります。
「加入時」には、契約初期費用がかかります。例えば一時払保険料の契約初期費用が3%かかるなら、この3%の手数料が引かれた一時払保険料の残り97%から運用がスタートします。また、この契約初期費用がかからない商品もあり、その場合は一時払保険料の全額が運用に回ることになります。
「運用期間中」にかかる諸費用は運用関係費用と保険関係費用の2点です。運用関係費用は投資信託などの運用先でかかるコストです。また、保険関係費用は保険契約を成立・維持させていくためにかかるコストで、いずれも年率が公開されています。
「解約時」に注意が必要なのは解約控除です。解約控除とは、解約時に本来支払われる解約返戻金から、加入年数によって一時払保険料の一定割合を差し引くというもので、各商品や保険会社によって設定内容が違っています。
たとえば、加入時に契約初期費用がかからない商品の場合は解約時に解約控除がかかり、契約初期費用がかかると解約控除が無い、という場合もあります。また、契約から一定期間(7年あるいは10年など)の場合には加入年数に応じて解約控除がかかり、それ以降の場合は解約控除がかからない、という商品などもあります。
■元本保証商品
最近では元本保証型の変額年金保険商品が多く出ています。これは、運用期間終了後に元本割れとなった場合、加入時に支払った一時払保険料を保証してくれる、というタイプの商品です。
運用期間が終了する、たとえば10年後の年金原資は保証されてリスクが減る一方で、保険関係費用が高くなる傾向があります。これに比べて元本保証がないタイプの場合は、リスクは高くなりますが保険関係費用は安くなります。
■その他
このように、元本保証などのリスクが低い商品ほどコストが高くなるためリターンが低くなり、元本保証の無いハイリスク・ハイリターン商品の方がコストが安くなる、というのが一般的な傾向です。個々人の考え方やライフプランなどによっても選択肢は違ってきますので、商品選びの際の参考にして下さい。
なお変額年金保険は、個人年金保険(定額型)のような個人年金保険料控除の対象とはなりませんが、一般の生命保険料控除の対象となります。
@投資性も含めた保険商品に興味がある方
Aまとまったお金を信託商品で運用したい方
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